プリンセス・プリンシパル 6話 感想/考察:ドロシーかわいそう…社会の暗部と人の転落人生を描く重苦しい回でした…【プリプリ BD版7話】

第6話 case18 Rouge Morgue
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ある日、コントロールから別の任務を言い渡されるドロシー。
それは、死亡した連絡員の身体に埋め込まれた、王国外務省の暗号表を奪取するというものであった。

任務を言い渡した7によると、該当の死体はノルマンディー公の協力者が知っているという。

ベアトリスと共にロンドン中の死体が集まるモルグへ潜入したドロシーは、既に死体探しを始めていたノルマンディー公の協力者と接触するが、なんとそこにいたのはドロシーの生き別れた父親・ダニーであった。


プリンセス・プリンシパル第6話(BD版7話) case18、ドロシーと彼女の父親ダニーの重苦しい話でしたね。ダニーをはじめ、モルグという陰鬱な場所で働かざるを得ない人々がいる社会の暗い一面と、人の転落人生を見せつけられました。これまでとは、毛色の違うストーリーだったと思います。

社会の暗部と転落人生を描く……プリプリほんとハードアニメ


プリプリ6話は、モルグという社会の暗部、そしてダニーという人の転落人生を描いた、終始陰鬱なエピソードでした。

面倒なこと、難しいこと、人がやりたくないこと……こういうものが仕事になるとよく言われます。モルグという遺体に触れる場所での仕事は、典型的な「人がやりたくないこと」でしょう。(場合によっては何でもやらなきゃならない、スパイもキツイですが……)

自分ならできれば回避したい仕事ですが、ベアトに声をかけた元兵士の老人が話していた通りやらざるを得ない人もいるわけです。借金・事故・戦争などによって負った経済的、身体的障害や身分の事情により、社会の表では稼げない人たち。

現代の日本においても、生活するために「人がやりたくないようなこと」で稼がなくてはならない人もいるわけで、社会や仕事のリアルな一面を見せられてるような気分でした。(こんなキツイ事しなくても生活できる社会になればいいのですが)

そんなモルグで働き、ノルマンディー公との取引を図っていたドロシーの父親、ダニーも元は優秀な蒸気技師でした。デイジー(ドロシーの本名)の話によれば、いい父親だったようです。しかしながら事故で右腕を失い、腑抜けて周りに当たり散らし、妻(ドロシー)もデイジーにも逃げられたという……

まさに転落人生ですが、実際人間は事故・事件・病気などの不幸により落ちるときは落ちるものです。問題はそこからどう這い上がるかですがね。(一発逆転しようとギャンブル、株、酒に明け暮れる毎日にならないようにはしたいなと思います。)

ダニーも落ちぶれたダメ人間のようでしたが、デイジーとはまた再会して一緒に暮らすことを考えており、モルグの仕事とノルマンディー公との取引を通じて這い上がろうとしていただけ報われて欲しかったですね。それだけに最後に取引で高望みしてしまい、ガゼルに殺されてしまったのは残念でした。最後は身元判別できないくらい頭部を砕かれてモルグで遺体処理されてしまうという、上げて落とされる人生の顛末でした。

まどか☆マギカも救いがない話が多かったですが、プリプリも可愛いキャラが主役ながらまどマギに負けないくらいハードなアニメです。


壁が生む悲劇をチーム白鳩は終わらせられるか?


父親のダニーが殺され遺体処理されたことを知らないまま、パブで待つドロシー……6話はここで終わりという切ない締めでしたが、この後ドロシーがダニーの死の顛末について知ることになるのかは気になるところですね。コントロールの情報網であれば、ダニーの件は把握されていてもおかしくないでしょうが、知った時のドロシーがどんな心境になるのか……根はとても純粋なだけに、この件で王国に落とし前をつける気になるかもしれませんね。

今回はドロシーと同じくらい出番が多かったベアトリス。常人なら不慣れでとてもできないモルグでの遺体あさりや、腑抜けな父親のダニーに「お父さんやってください」と叱咤するなど、気丈なところを見せてくれました。第3話のアンジェとの任務もそうでしたが、この娘やっぱメンタルすごいですね。

ドロシーに彼女と出会えたのもダニーのおかげと前向きに話しかけますが、ベアト自身もこうしていられるのも喉を改造したマッドな父親のおかげと思うと何か複雑ですね(苦笑)変声はもちろん、第5話で十兵衛の剣を受け止めて一命を取りとめるなど……プリプリキャラの親父たちは良くも悪くも厄介な人たちです;

ダニーの件は残念でしたが、たとえガゼルに消されなくても、足跡を残さないよう共和国のコントロールに消されてしまったかもしれません。壁を隔てての冷戦により誰かがモルグに消え行くことになるロンドン。

今週もアンプリがお忍びで百合談話してて触れていましたが、壁を無くしてみんな堂々と一緒に暮らせる平和世界をつくれたらいいですがね…… 現実の史実ではかつて東西ドイツの「ベルリンの壁」は崩壊し国家統一されましたが、プリプリの「ロンドンの壁」は崩せるのでしょうか?難しいでしょうがそれが「仕事」というものですね、プリンセスそしてチーム白鳩!

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