結城友奈は勇者である(ゆゆゆ)2期 鷲尾須美の章 考察/感想/評価:どうせみんないなくなる…小さな勇者達の絶望との戦い。「エガオノキミヘ」でもう泣ける…



2017年秋アニメ、「結城友奈は勇者である アニメ2期 -鷲尾須美の章-」の感想/考察記事です。

「結城友奈は勇者である(ゆゆゆ)アニメ2期」は、

  • 第1話~第6話:アニメ1期の過去編となる「鷲尾須美の章  第1話~6話」
  • 第7話~第12話:アニメ1期の続編となる「勇者の章  第1話~6話」
の2部構成で展開されています。ここでは、過去編「鷲尾須美の章」についての感想を記します。


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どうせみんないなくなる…分かってても見るのが辛い過去編

「結城友奈は勇者である」より2年前、神世紀298年。神樹によって選ばれた、小学六年の鷲尾須美は同級生の乃木園子、三ノ輪銀と一緒に世界を守る勇者である。乃木園子と三ノ輪銀は天然だったり元気良すぎたりと問題児の雰囲気。須美は自分が二人を導かなくては、と張り切るが—。
(引用) Story | TVアニメ「結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-/-勇者の章-」

「結城友奈の章(ゆゆゆ アニメ1期)」の2年前が舞台のストーリーです。3部作で劇場公開もされた経緯があるお話です。「結城友奈の章」はなかなかに精神を削られるシリアスなお話でしたが、「鷲尾須美の章」もそれに匹敵、いやある面ではそれ以上の過酷な物語です。

まさに、「どうせみんないなくなる」
という某ロボアニメの言葉がぴったりといいますか……(「なんであんなこと書いた! 言え!」と返されそうですが;)

本章ですが、主人公は結城友奈ではなく「鷲尾須美」というキャラクターが務めます。しかしこのキャラの正体は、「結城友奈の章」でもう一人の主人公的なポジションだった勇者部の一人「東郷美森」です。

ある事件で記憶を失う以前、彼女は鷲尾家の養女として勇者のお役目を務めていたのです。その際、共に勇者として戦っていたのが、1期でもわずかに登場しほぼ全身を散華していた先代勇者「乃木園子」。そして本章で初登場ながら、1期の「にぼっしー」とどこか被る赤の勇者「三ノ輪銀」

あどけなく微笑ましい日常を送りつつ、小学6年生という年にして人類の脅威「バーテックス」と戦って勝利をおさめなければならない。過酷ながらも毎日を一緒に楽しみながらお役目を果たす3人の小さな勇者たち。1期と同じく平和な日常とシリアスの激しい落差、不穏な空気にゾクゾクするストーリーです。

アニメ1期を知っていれば、彼女たちがどうなるのかは大体想像がついて(みんなバラバラになっていなくなるんだろうと)分かっちゃうのですが、その過程を目に刻むのはやはりメンタルを削られます……

ただ国防仮面、国防体操など、笑えるようなそうでないような、伝説的なギャグ(?)も合間にあったりでそれなりの息抜きもありますw

赤の勇者「三ノ輪銀」の最期は見返すのにも覚悟がいる…



一番見るのがきつかったのは、やはり第4話「たましい」ですね。
バーテックス戦において3体の連携攻撃により戦闘不能となった鷲尾須美、乃木園子……2人を退避させ、たった一人でバーテックス達に立ち向かう三ノ輪銀……


銀「こっから先は、 通さない!」「これこそが……たましいってやつよぉぉぉぉぉぉ!!」


当時は満開システムが端末に実装されておらず、通常攻撃でひたすら斬りつけるしかなかったのですが、鬼の形相で凄まじい猛攻をみせる銀。全身に傷を負い貫かれ、血みどろになりながらもバーテックスを退けることに成功します。
自分の命と引き換えに…… 後で銀のもとにやってきた須美と園子が、その凄惨な最期の姿を目撃して泣き崩れるところも含め、見返すのに覚悟がいります。

「結城友奈の章」に比べ本章がキツイ点があるとすれば、やはりキャラの死が描かれていることですね。銀ちゃんは元気で男勝りのいいキャラだっただけに余計に惜しいです……

実は、銀は同じ赤の勇者、三好夏凜(にぼっしー)の先代であり、1期でにぼっしーが使っていたスマホ端末は銀が本章で使っていたものでした。誰かのために、その身を散らしていく姿は2人とも重なっていますね。ゆゆゆの「赤の勇者」は個人的に推しです。

銀の死後も、バーテックスとの戦いを続ける須美と園子。銀の死を受けて、強化・改良された端末を手に戦う彼女たちですが、ここで実装された新機能があの忌々しい「満開システム」……

最終話6話の大戦では、満開を使うたびに散華し、須美は「両脚の自由」と「記憶の一部」を、園子は20回もの満開で「臓器を含めたほぼ全身」の機能を失ってしまいます。散華を理解しながらも須美を守るため満開特攻をかける園子。当分襲来できないくらいバーテックス達を追いつめることに成功します。

しかしこの結果、園子は日常生活が不可能な程の障害を負い、大赦の保護下での生活を余儀なくされ世間から隔離。記憶を失った須美は、大赦の事情もあって、もとの名「東郷美森」として東郷家に戻ります。

鷲尾須美、乃木園子、三ノ輪銀……一緒だった3人の勇者たちは、こうして「みんないなくなってしまった」のでした。6話のED「やくそく」はまさに「そして誰もいなくなった」という哀しい演出でしたね……

あと忘れちゃいけないのがOP「エガオノキミヘ」。歌詞も曲調も本章のために創られたかのような神曲です。これ聞くだけで泣きたくなりそう……

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三森すずこ



絶望と戦うも悲劇的な結末に終わった「鷲尾須美の章」。見返すのが躊躇われるくらい辛いアニメですが、見応えは十分あり。ゆゆゆの世界を理解するには避けては通れない、悲劇と無念の章です。

しかし、彼女たちの無念は、鷲尾須美(東郷美森)が最後に出会った希望の勇者「結城友奈」、そして5人の勇者部メンバー達。彼女たちにより「結城友奈の章 (アニメ 1期)」「勇者の章(アニメ 2期後編)」で晴れることになる……と思いたい!!

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