AI関連の技術本など、たくさん読み漁りましたので、ご紹介・レビューしたいと思います。
技術本(入門編)
SBクリエイティブ (2018-08-28)
売り上げランキング: 12,679
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一番おすすめできる入門書です。数学、Python、ニューラルネットワークの基本事項から、バックプロパゲーション(学習)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を一通り学習できます。特にバックプロパゲーションの章が、数式を挙げながらも詳細すぎず簡潔すぎずにまとまっており、「ああ、こんな原理で学習が進むのね」という風に理解できました。
ただニューラルネットワーク学習の基本である勾配降下法については、いわゆる「確率的勾配降下法」のことを取り上げているとみられ、勾配降下法の概念体系について少々誤解を与えるような印象を受けました。
勾配降下法はこちらも調べた限りでは、学習対象データの範囲により、最急降下法(一般的な勾配降下法)、確率的勾配降下法、ミニバッチ確率的勾配降下法に分類されるらしく、本書ではそのあたりの説明が言及されていません。
代わりにバッチ学習、オンライン学習、ミニバッチ学習という表現で後々それらを説明されていましたが……それぞれが勾配降下法とは別物のように誤解するような説明が気になりました。ネットや次に紹介する本などを参考にして、勾配降下法の概念を確認する必要があるかもしれません。
チームカルポ
秀和システム
売り上げランキング: 210,414
秀和システム
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先に紹介した本で触れられていた勾配降下法とバックプロパゲーションがより具体的、詳細に説明されています。勾配降下法については、最急降下法(一般的な勾配降下法)、確率的勾配降下法、ミニバッチ確率的勾配降下法の分類についてきちんと整理して説明されており、その概念体系について理解しやすいものになっています。個人的にはこの説明がしっくりきました。
一方で、ニューラルネットワーク、バックプロパゲーションの説明は、数式や図をあげて具体的に踏み込んでいます。ただ、これが詳細すぎて逆に説明を追いづらくしています。式中の変数など、「あれがこれで、これがあれで」と迷子になりそう……数学アレルギーな人は多分見るだけで疲れるかも。途中でサンプルプログラムも引用されるので、全体のどこを見ているのか分からず、見通しが悪いのも難点。
説明は詳しいので、先に紹介した本でまず概要を学んで、各事項の詳細について本書で踏み込むという使い方がいいかもしれません。
ソーテック社 (2018-02-21)
売り上げランキング: 35,886
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以前紹介した入門本です。先の「はじめてのディープラーニング」の超ざっくり版といったところでしょうか。バックプロパゲーションの説明がすごく簡素であるため、この本だけでディープラーニングを理解したことにはならないです。
ただ、大雑把なイメージや畳み込みニューラルネットワークの手法(畳み込み層、プーリング層、ドロップアウト層、全結合層)の概要をつかむのにはいい入門書だったと思います。
Windows上でのPython環境構築や、Kerasの使い方などAIプログラミングの基本もつかめるのもよかったです。
技術本(実践編)
チームカルポ
秀和システム
売り上げランキング: 93,999
秀和システム
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「本当に必要な数学だけでわかる ニューラルネットワークの理論と実装」の姉妹書です。
画像認識ディープラーニングで用いられる「畳み込みニューラルネットワーク(CNN)」の説明を重点においています。
実際にCNNを開発等で使用する際は、KerasというAIライブラリを用いて実装することが多いです。
本書はKerasについての実践的かつ有用な情報が盛り込まれています。Kerasの基本的な関数や知っていると便利な関数(画像フォルダからデータセットを効率的に生成する等)、そのパラメータまで取り上げており大変参考になりました。
また、既存の学習モデル(VGG16)を用いた転移学習の方法についてもとりあげており、様々な実戦的ノウハウを確認できます。
姉妹書と同じくかなり詳細な内容なので、順を追って読破するのではなく、必要に応じて各所を参照するという使い方でもいいかもしれません。
講談社 (2018-03-14)
売り上げランキング: 30,750
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これも、以前紹介した本ですね。低予算Linuxマシン「Raspberry Pi」を用いて、サポートベクトルマシン、ニューラルネットワーク、ディープラーニングといった機械学習を実践するという内容です。
各々の精度や特徴などを比較しながら、機械学習全般の知識、ノウハウを身に着けることができると思います。
数式をあげての説明は控え目であり、主な特徴について説明した後、プログラミングやLinux操作を通してそれを確認していくという流れです。Raspberry Pi、開発環境のセットアップから、Kerasを用いたAIプログラミングまで踏み込んでいます。本書のサンプルプログラムもAI開発では大いに参考になると思います。
そのほか、カメラを用いた画像処理など、AIと組み合わせて使う周辺技術についてもサンプルプログラムを挙げて踏み込んでおり、Raspberry Piならではのガジェット作りにも役立ちそうです。
社会・経済系
文藝春秋 (2016-07-29)
売り上げランキング: 13,624
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AIに仕事を奪われて食えなくなるという危惧をよく聞くこの頃ですが、本書もその社会問題について警鐘を鳴らしています。
ITやAIのような自動化ツールは、その特性から人間の雇用を生まない。これらの社会実装を進めるにあたっては、BI(ベーシックインカム)とセットですすめないとディストピアになるという主張は、なるほどなと。
本当にSFみたいなことを実現しようとしている、グーグルの未来学者「レイ・カーツワイル」や「シンギュラリティ」についてはこの本でよく知ることができました。恐ろしいことを考える天才がこの世にはいるんだな……
光文社 (2018-02-23)
売り上げランキング: 51,601
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最近になって話題になっているAIとは何のことなのか、今のAIに何ができて何ができないのか、さらなる進化のためには何が必要かなど、きっぱり「これだ」と語られています。
先の本でも触れていたAI社会のBI(ベーシックインカム)の必要性にも言及しています。そして企業、エンジニア、社会人がAI社会をどう生き抜くべきかに関する持論などについても展開されています。要は今すぐプログラミングを始めよ!ということですね。